実は日本だけ? ポスターサイズ『B判』の意外なルーツ

2025/12/18

私たちが普段何気なく使っている「B5のノート」や、駅で見かける「B3の中吊り広告」、そして部屋に貼る「B2のポスター」。

「A4」が国際標準なのは有名ですが、「B判」が実は日本(と一部のアジア)独自のガラパゴス規格であることをご存知でしたか?

なぜ日本には「B判」が存在し、今もなお広告業界で愛され続けているのか。

そのルーツは、なんと江戸時代の「徳川幕府」まで遡ります。

 


1. 「A」はドイツ生まれ、「B」は江戸生まれ

まず、用紙サイズの基本をおさらいしましょう。

 

A判(A4, A3など):

19世紀にドイツの物理学者が提案したドイツ工業規格(DIN)が元になっています。 

現在では国際標準規格(ISO)として世界中で使われています。

B判(B5, B4など):

こちらは日本工業規格(JIS)で定められた、日本独自のサイズです。

(※実は世界標準の「ISO B判」というものも存在しますが、日本のB判とはサイズが全く異なります)

 

なぜ日本だけ独自のルートを歩んだのでしょうか?

 


2. ルーツは徳川家の御用紙「美濃紙(みのがみ)」

明治時代、政府は近代化のために欧米の「A判」を導入しようとしました。

しかし、当時の日本人の生活には、ある特定のサイズの紙が深く根付いていました。

それが、江戸時代に徳川幕府が公用紙として使っていた「美濃紙(みのがみ)」です。

 

障子紙などにも使われていた美濃紙のサイズ(約273×393mm)は、当時の日本人の体格や建築様式に最も馴染む大きさでした。

あまりにも普及していたため、政府は「A判一本化」を断念。

「欧米のA判も使うけど、日本古来の美濃紙サイズも『B判』として残そう」と決めたのです。

つまり、私たちが今「B2ポスター」を見ている時、その縦横比には江戸時代のお侍さんが使っていた書状のDNAが受け継がれているのです。

 


3. なぜ広告やポスターは「B判」が多いのか?

ビジネス文書(コピー用紙)は「A4」に完全移行しましたが、広告・販促の世界では今でも「B判」が主役です。それには明確な理由があります。

 

① 「A判」よりひと回り大きいインパクト

B判の面積は、同じ数字のA判の約1.5倍です。

  • A4チラシより、B4チラシの方が大きい

  • A2ポスターより、B2ポスターの方が大きい

「A判(ビジネスサイズ)よりも大きく、目立つ」という特性が、情報をアピールしたい広告媒体として重宝されました。

 

② 日本のインフラが「B判」で作られている

  • 新聞折込チラシ(B4): 日本の新聞のブランケット判は、B4を並べたサイズが基準です。

  • 電車の中吊り(B3): 日本の鉄道車両のサイズ感に合わせて発展しました。

  • 週刊少年ジャンプなどの漫画誌(B5): 雑誌文化も美濃紙の系譜を継いでいます。

 


4. まとめ:B2ポスターは「日本の黄金比」

映画館のポスター、アイドルのカレンダー、そして店舗の壁面ポスター。

これらが判で押したように「B2サイズ(515×728mm)」なのは、日本家屋の壁の広さや、

日本人が「美しい・ちょうどいい」と感じるサイズ感が、江戸時代から変わっていないからかもしれません。

 

次回のポスター発注の際、「B2にするか、A1にするか」迷ったら、ぜひこのルーツを思い出してみてください。

「少しの迫力不足を補いたいなら、あえて日本独自のB判を選ぶ」 そんな選び方も、販促のひとつのテクニックと言えるでしょう。

 

【豆知識】

海外で「B2ポスターを作って」と言うと…? 海外の印刷会社で「B2サイズ」と発注すると、

日本のB2(JIS規格)とは違う「ISO B2(500×707mm)」で仕上がってしまい、

日本のB2より少し小さいポスターが出来上がることがあります。

海外入稿の際は要注意です!

 

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