ポスターをデザインするのに最適なパソコンのスペックとは?

2017/04/13

「ポスターデザインに最適なパソコンスペックは?」※2017年4月記載

大判ポスターはデータも大きなサイズになるため、パソコンの高い処理能力が必要になります。
多くの学生や、これからデザイナーを目指そうとする方がまず最初に悩んでしまうのが、「どんなパソコンを買えばいいの?」という問題ではないでしょうか。
MACを使用しているデザイナーはとても多いのですが、その理由としては昔からMACは画像処理能力に長け、グラフィックソフトとの相性が良かったことや、何よりADOBEはappleからの依頼で画像を印刷データに変換する言語システムを作ったのが始まりでもあり、PhotoshopやIllustratorが最初に発売されたのもmacでした。

■出費を惜しまないならmac

MacとWindowsの違いは、スマホでいうiPhoneとAndroidの違いに非常に似ています。
iPhoneがサクサク動くのに対し、Androidはちょっと古い機種だと処理が重たくガクガクしますよね。

未だにmacが優位な点として、WindowsPCは製造メーカーも多く、環境がさまざまなため、それによる画像処理エラーが発生することがよくあります。
拡大縮小作業中に画像が表示されなくなったり、変な残像が残ったりと、windows版しか使ったことがなければ「こんなものか」と思いますが、mac版を使うユーザーであれば、とても使いにくさを感じることでしょう。

結論から言えばMacを買うのをお勧めしますが、とても高価です。
iPhoneが高価なのと同様、windowsパソコンが5万程度からあるのに対し、Mac PROは29万~(モニタ無しで)と安易に買えない値段差があります。
その代わり大判ポスターのデザインもサクサク作ることができます。

一方で「デザイン専門の会社です」という企業以外はWindowsPCを使用してデザイン制作をしている企業も多く、事務経理のソフトを使用したり、何より複数台のパソコンを導入するにあたってWindows機が安価だというのが一番の理由になります。

■パソコンの構成

Macは選択肢が限られるため、WindowsPCを購入するならどれが良いのかをお伝えさせて頂きます。 それにはまずパソコンの構成を理解していかなければいけません。
パソコンのスペック表を見ると項目がいっぱいあって何を見ればよいのか分からなくなり、驚くほどハイスペックなパソコンを使っている方も多くいたり、逆に高額なパソコンを買ったのに遅いんだけど・・・という相談も受けたりします。
注意すべき点は「CPU」「メモリ」「HDD」この3ヶ所になります。

■CPU

CPUはパソコンの頭脳にあたります。
性能が良ければよいほど演算力は高くなり、皆さん良いパソコンといえばCPUの性能が高いラインナップを選びますが、実はポスターをデザインするのにCPUの性能はそれほど重要ではありません。
2017年現在、IntelのCPUはAtom、celeron、iシリーズが一般向けとして提供されています。

注意点:各シリーズは長らく名称が変わっておらず、第●世代celeronなど、発売時期と型番で性能差が生まれています。第1世代と第7世代では同じceleron名でも処理速度は全く違いますので注意してください。
i3-4200(第4世代)
i3-7100(第7世代)
プロセッサ名に続く次の数字で世代を判断します。

・Atomプロセッサ

主にタブレット向けで小型で省電力・低発熱・低価格がウリ。
ですが処理速度は遅く、グラフィックソフトを扱う以前にデスクトップやノートPCのCPUとしては非力です。

・Celeronプロセッサ

PC向け低価格CPUとして開発され、とても普及しているCPUです。十分な処理速度を持っていますが、「ブラウザを開きながらPhotoshopとIllustratorを同時に操作して…」などマルチタスクでは重さを感じます。

・i3プロセッサ 【オススメ】

価格は手頃で処理速度も早くバランスのとれたCPUです。単純作業において十分な処理能力があり、お勧めです。

・i5プロセッサ 【オススメ】

オンラインゲームを始め、動画視聴や動画編集などCPUに負荷のかかる処理でも問題なくこなす万能型です。

・i7プロセッサ

動画編集やエンコードなど、CPUに負荷をかける作業をする方や他のCPUで遅いと感じた方はi7がお薦めですが、そうでなければi7シリーズの能力を活用することは無いかもしれません。

■メモリ

メモリは一時的に保存しておく領域です。HDDと違いデータの処理速度が速いため、メモリが多いほど速度の快適さに大きな影響を与えます。Illustratorのパス処理に大量のメモリを必要とするためメモリが少ないとメモリ不足でパス処理が出来なくなる場合もあります。

DTPデザインにおいて最も重要なのが「メモリ」です。
他の予算を割いてもメモリだけは多くて困ることはありません。
Windows10なら最低4~8Gですが、推奨16G。できるなら32GB欲しいところです。

Illustratorのパス処理に大量のメモリを必要とするため、「高いパソコンを買ったのに処理が重たい」という場合は“CPUが高性能でメモリが少ない“場合が殆どです。

■HDD

データの記憶領域です。500Gや1T(テラ)2Tなど容量が記載されていますが、容量は速度に関係の無い箇所ですので、ご自身の使い方次第で判断してください。
HDDはディスクに物理的に記録する方式ですが、近年ではSSDという大容量のメモリチップを搭載してHDD変わりとする高速ドライブも登場しておりますのでSSDがお薦めです。

■グラフィックボード

「デザインするのだからグラフィックボードが必要では?」と思ってしまうのですが、実は無くても大丈夫です。
3D処理やパスなどの処理速度は変わりますが、基本的な作業に大きな影響を与えませんのでメモリやSSDに予算を回すほうがおすすめです。

■まとめ

・CPUはceleronやi3程度でも十分!(世代には注意)

・メモリは多いほど良い

・HDDはSSDで!

・グラフィックボードは必要なし(後からでも追加出来ます)

出来る限りコストはメモリに回すことがおすすめです。
似たようなスペックでも、ノートPCは発熱を抑えるため処理速度の遅いものを使用したりしていますので、出来る限りデスクトップPCがお薦めになります。
安価なメーカーとしてはDELLやHPが人気で、国内メーカーなら富士通やNECが人気です。

以上、パソコンの紹介をさせて頂きました。
使いやすい環境で素晴らしい大判ポスターデザインをしてみましょう!